暗喩としての飲み物の温度

1976年春発売のアルバム「黄昏めもりい」の収録曲で、同年夏にシングルカットされた丸山圭子の「どうぞこのまま」には次のようなフレーズがあります。「うらはら」が私のボキャブラリーに加わったのはこの曲がきかっけでした。

 

♪<さよならは涙とうらはら さめたコーヒーのようなもの>(詞:丸山圭子)


飲み物の温度が暗喩的に使われるケースとしては、1975年1月発売の野口五郎「私鉄沿線」があります。

 

♪<ぼくの街でもう一度だけ 熱いコーヒー飲みませんか>(詞:山上路夫)


ペドロ&カプリシャス「別れの朝」は1971年10月のリリースです。

 

♪<別れの朝 ふたりは さめた紅茶のみほし>(詞:なかにし礼)


1981年のレコード大賞受賞曲は寺尾聰「ルビーの指環」でした。

 

♪<くもり硝子の向うは風の街 さめた紅茶が残ったテーブルで>(詞:松本隆)

 

上の4例とは異なり、逆説的な暗喩となっているのが松田聖子のアルバム曲「セイシェルの夕陽」です。

 

♪<私は熱い紅茶飲みながら なぜかしら涙ぐむ>(詞:松本隆)

 

「セイシェルの夕陽」の私とあなたは次のような関係です。

 

♪<離れてみてわかったのよ 大切な人は誰かって>

 

最近では、ゆずにそのものズバリ「冷めたコーヒー」というアルバム曲があります。「別れの朝」が最古がなのかどうか、1960年代にもありそうな気がしますが、まだ見つけていません。

 

移転前のページ→「うらはら」を覚えた曲(2017/09/14)

桃色吐息/高橋真梨子/1984年/詞・康珍化

「桃色吐息」の1番には、♪<さびしいものは あなたの言葉 異国のひびきに似て不思議>というフレーズがあります。カラオケの歌詞表示、歌詞サイト、TVの歌番組のテロップなど例外なく「さびしい」のひらがな表記です。

 

音源を聴いてみると、高橋真梨子は昔も今も「さびしい」と歌っています。中森明菜のカバーも「さびしい」であり、作曲者の佐藤隆のセルフカバーも「さびしい」でした。

 

  • 高橋真梨子「び」(LEGACY80s)夜スタ
  • 高橋真梨子「び」(naomi)CD音源?
  • 高橋真梨子「び」(そらみんと)2016FNSうたの夏まつり
  • JUJU「び」(poppo2828)
  • (karaTube)「び」オケ映像の字幕
  • 高橋優「び」(GUAPY@)
  • 佐藤隆「び」(dejavu2005com)
  • 中森明菜「び」(marinn 703)CD音源?
  • 田川寿美「び」(MrKz 2015)
  • 堀優衣「み」(kobarin777)
  • 森恵「び」(Jiro Suzuki)
  • 門倉有希「び」(Haruno Kaori)
  • 坂本冬美「び」(fs8001kz)
  • 秋元順子「び」(Natsuno Nagisa)
  • フォレスタ「び」(Uta no Ojsan)
  • 和田アキ子「び」(schihara 2531)
  • マルシア「み」(Alan Leung)
  • 石原詢子「び」(fog lamp)3:13
  • 石原詢子「み?」(fog lamp)3:24
  • 藤あや子「び」(schihara 2531)
  • 内藤やす子「み?」(TheNekonote22)

 

少数ながら「み」派もいないわけではありません。

 

移転前のページ→桃色吐息は「さびしい」(2017/09/26)

【あたし】横浜いれぶん/木之内みどり/1978年

1978年2月発売の「横浜いれぶん」では、♪<私は気のない生返事>(詞・東海林良)など2か所ある「私」は、「あたし」と発音されています。DAMの歌詞表示でも「あたし」とルビが振ってあります。

 

You Tubeで聴いてみましたが、やはり「あたし」と歌われています。木之内みどりのシングル曲の一人称は「横浜いれぶん」以降の3曲が「あたし」で、作詞はいずれも東海林良です。

 

  1. 1974/05 めざめ <一人称なし>
  2. 1947/09 あした悪魔になあれ <わたし>
  3. 1975/01 ほほ染めて <わたし>
  4. 1975/07 おやすみなさい <わたし>
  5. 1976/02 学生通り <一人称なし>
  6. 1976/07 グッドフィーリング <一人称なし>
  7. 1976/11 東京メルヘン <わたし>
  8. 1977/04 ジュ・テーム <わたし>
  9. 1977/08 イマージュ <わたし>
  10. 1977/10 走れ風のように <一人称なし>
  11. 1978/02 横浜いれぶん <あたし
  12. 1978/06 無鉄砲 <あたし
  13. 1978/09 一匹狼 (ローン・ウルフ) <あたし

 

J-Lyric.netとUta-Netで歌詞検索してみましたが、「横浜いれぶん」と「無鉄砲」は漢字で「私」、「一匹狼」はひらがなで「あたし」でした。

 

「横浜いれぶん」の二人称は「あんた」ですし、「無鉄砲」の歌い出しは♪<男のくせにクドクドと 泣き言なんかよしてよと>です。いわゆるツッパリ路線にシフトチェンジしたのが「横浜いれぶん」であり、それ以降の一人称が「あたし」でした。

 

なお、UtaTenの「横浜いれぶん」では「私」のフリガナは「わたし」です。あまり参考にはならないようです。

 

移転前のページ→「わたし」と「あたし」(2017/08/24)

揺れる想い/ZARD/1993年/詞・坂井泉水

一色紗英が起用されたポカリスエットのCMソング「揺れる想い」の2番のサビに♪<いくつ淋しい季節が来ても ときめき抱きしめていたい>のフレーズがあります。

 

DAMの歌詞表示では「淋しい」に「さみ」のフリガナが振ってあります。DAMでは作曲者の織田哲郎によるセルフカバー・バージョンも配信されていますが、織田バージョンでもフリガナは「さみ」です。織田バージョンは歌詞が男目線です。

 

一方、You Tubeで公開されているJOYの全国採点の映像ではフリガナが「さび」です。まずは歌詞サイトを当たってみましたが、11の歌詞サイトはすべて「淋しい」であり、UtaTenのフリガナは「さみ」でした。

 

You Tubeの動画を聴いてみました。

 

  • ZARD「み」(clipper3611)2004年の最初で最後のライブツアー
  • ZARD「び?」(Yutaka DXDX)
  • ZARD「み」(シャドー&ちゃどー)画像はシングルCD
  • (high_note Music Lounge)「び」セピア色のカバーチャンネル
  • (李長青)「み」織田バージョンのカラオケ?
  • ZARD「び?」(ZARD forever you)2011追悼ライブ
  • (流星*BREATH)「み」スタジオ録音
  • (karaTube)「み」オケ映像の字幕
  • (サリー JD)「み」カラオケ
  • (MRO 7447)「み」オケ映像の字幕
  • (channel MiO)「み」スタジオ録音
  • (ウキ)「み」カラオケ
  • (Mizuki Mizutani)「び」カラオケ
  • (melodylights-VL)「び」初音ミク
  • (Makiko213)「び」カラオケ
  • (otoizumiful)「び?」織田バージョンのカラオケ

 

多数派は「み」ですが、坂井泉水のボーカルを抽出した動画(2本)を聴くと「び」に聞こえます。私はDAM派であって、今年は1度もJOYを使ったことがありません。字幕どおりに素直に「み」で歌ってきたわけですが、次の機会は「び」で歌ってみたいと思っています。

 

坂井泉水が作詞した曲では、「きっと忘れない」に♪<別れは粉雪 淋しさが胸に積もる>、「マイフレンド」に♪<ひとりでいる時の淋しさより>の歌詞があります。この2曲に関しても、本人は「さびしさ」と歌っているように聞こえます。

 

移転前のページ→ DAMは「さみしい」、JOYは「さびしい」 (2017/09/20)

Link Link/ももいろクローバーZ/2015年/詞・只野菜摘

「Link Link」では2番Aメロの高城パートに、♪<淋しさにじむのは ぽっかりとあいた椅子さ>というフレーズがあります。カラオケのDAMの歌詞表示では「さみ」のルビが振られています。

 

漢字としては「淋しさ」で正解のようです。11の歌詞サイトが一致しました。なぜかUtaTenでは「さび」のルビが振られています。ということで、実際にはどう歌われているかチェックしてみました。

 

  • ももクロ「み?」(Pinky Jones Memories 5th)TV
  • ももクロ「み」(a-rin a-rin)
  • ももクロ「み」(Pinky Jones Memories 5th)2015/09氣志團
  • ももクロ「み」(MCZ クソソソ)2016/04チャリティライブ
  • (とん子)「み」カラオケ
  • (punipuni yuko)「み」カラオケ
  • (DON CHANG)「み」カラオケ
  • (asato 14noff)「み」カラオケ
  • (杏ノフあやっさん)「み」カラオケ

 

JOYのカラオケ映像もうpされていましたが、フリガナは「さみ」でした。この曲に関しては議論の余地はないものと思われます。